印象劉三姐
印象劉三姐は桂林陽朔で上演されていて、中国国内だけでなく、世界でも有史以来桂林山水を舞台にした最も大きな規模の実景演出ショーです。1654㎡の漓江の広大な水面を舞台とし、周りの12の峰に囲まれた壮大なスケールで、制作には約5年5ヶ月の歳月が要しました。67名の国内外の著名芸術家たちが集結した豪華な創作陣の中には中国の映画監督の第一人者と認められる張芸謀のほかに王潮歌、樊躍、さらに中国トップクラスのプロデューサーである梅帥元も参加し、前代未聞の芸術作品を創作されていきました。また600人におよぶエキストラ出演をうまく進行させるために109回にもわたる改善と修正を重ね対応策を講じていきました。
観客席は眼前180度に広がるワイドな実景を鑑賞できるように勾配をつけた構造に2200人分の座席を設け、普通席が2000席、ビップ席が180席、大統領席が20席となっています。上演時間は60分となっており、一般的に毎晩20:00から第1回目の上演が始まり、土日になると19:30から始まることもあります。そして第2回目は21:10から始まります。2004年3月20日から開演した印象•劉三姐は中国だけではなく、世界中で大きな反響を呼び、観光客及び諸外国の政府要人、各界著名人の好評を獲得し、毎日の上演に多くの人々が足を運ぶ姿が見られます。
1961年に中国で上映された映画「劉三姐」は、広西チワン族の地域で伝説とされた人物で歌の仙人とも呼ばれた劉三姐は、人間における誠実さ、善良さ、美しさをテーマにした歌で当時の人々の素朴な人間性を主張し、世界中の特に華僑がいる地域で多くの支持を得て一世風靡されていました。この映画「劉三姐」に因んで創作されたのが印象•劉三姐で、桂林山水を舞台にして今までにない広々としたパノラマの視界と目の前で展開される壮大な演出に圧倒されてしまいます。この作品は人だけが作った舞台と違い、天と地の自然と手を結び見事に融合して創った「山水実景」に魅力を感じることができます。バラード調のテーマソングが流れる中、見え隠れした山並み、川に映る倒映、程よい霞みの演出、囁く竹林、空にかかるおぼろ月などがその幻想的な魅力に人々が引き込まれていきます。
印象劉三姐の演出において12の山をライトアップできる巨大な照明装置が設置され、白、赤、緑、黄色に変色することができ、この4色はこの作品の4つのテーマに繋がる色合いとなっています。まず、赤を使って喜びと祝福の気持ちを表現するとともに中国の色を主張しています。白は人間の感情の無垢、純真さを表現し、黄色は季節の秋を示し、黄金色に染まった穀物を収穫することを意味しています。最後にわれわれ人間が住んでいる地球を緑で表現し、末永く緑に覆われた地球というイメージで環境保護を訴える意味も込められているといわれています。
場面構成としては
『紅色印象 山歌』川で漁をする漁民たちが「対歌」と呼ばれる問いと返しの歌を歌う様子
『緑色印象 家園』緑溢れる農村の風景
『藍色印象 情歌』劉三姐が伝統の愛情歌を歌う様子
『金色印象 漁火』夜の漓江に光る漁り火と霊魂。周辺の5つの村の漁民が出演
『銀色印象 盛典』伝統的なお祝いの風景。200人の少数民族の女の子が民族衣装を着て出演
というように展開されていきます。
印象劉三姐は広西地区の文化要素に基づき、「桂林山水甲天下」と称される桂林ならではの山水風貌を最大限に活かすと同時に、地元の素朴な民俗文化と現代的な演出が結びつき、言葉で表現できないほどの壮大なファンタジー作品として完成されました。現在でも桂林陽朔の主要観光スポットとして高い人気を誇っています。