熊村古鎮

桂林から漓江沿いに17kmほど下ると、漓江北岸霊川県の東南に大墟古鎮があります。大墟は紀元前290年頃には、すでに流通の拠点として記録に現れています。熊村古鎮は、大墟古鎮からさらに7.5km離れた場所にあります。大墟古鎮が漓江の水路を利用して栄えたのに対し、熊村古鎮は湘桂古商道(南方のシルクロード)への地の利を生かして栄えた集落です。まだ現在は、大墟古鎮ほど観光客には知られていません。

湘桂古商道は長岡嶺を経て、高尚や興安へ出る一番近い道です。熊村古鎮は宋の時代(960年~1279年)に集落が形成されました。伝説によりますと、熊村古鎮の先祖は六艘の龍船でこの地に来たそうです。

熊村古鎮は大河沿いの大墟古鎮と異なり、なだらかな丘の上に建てられています。入り組んだ路地の階段の上には、いくつかの石拱門が造られています。現在、完全に保存されている石拱門が8つあり、門ごとに名前が付けられています。日向門、人寿門、徳興門、紫気門などが現存しています。
 

独特な造り方がされた熊村古鎮は、長さがまちまちの大通りが6つあり、さらに奥深い狭い道が曲がりくねっています。道には石畳と栗石が敷き詰められています。住居を囲む壁が高く入口は狭いですが、中に入ると奥深い庭が続いた豪邸となっています。建物の多くは、表門に店舗が設けられています。

古鎮の周りにはのどかな田園風景が広がっており、水路で洗濯をする女性や、水浴びをする水牛の姿も見られます。昔のままの面影を持つ古い建造物を見ながら、気の向くまま迷路のような路地をたどってみませんか。思わぬところに歳月の痕跡を発見し、楽しくなります。