秦家大院

秦家大院は、桂林市から車で1時間半ほどの白石郷水源頭村にあります。周りは山に囲まれ、山の上には銀杏の木がうっそうと茂っています。秦家大院は一軒の邸宅を指すのではなく、敷地面積17,000㎡、7つの巷と8組の邸宅30棟からなる邸宅群です。秦家大院は中国における古い村落200選にあげられています。
記録によると明代の洪武年間に、山東から左武衛大将軍秦瓊の子孫が、この村に移り住みました。秦瓊は唐朝を建国した李世民の功臣とのことです。一族は、水源頭村周辺の自然が風水に合っている地と見なし、ここに居を構えることにしました。長年にわたり建築と増築を繰り返し、現在の秦家大院を中心とした集落を造りあげました。文武ともに優れた村で、武状元1名、文科進士20名、挙人数10名を輩出しています。それで進士村とも称せられています。
 

秦家大院は攻防兼備の古城堡でもあります。山の斜面に沿うようにして建てられ、周りは城壁のような壁が廻らされています。表門を入ると前庭があり、その先に家屋が造られています。建物は母屋の両側に側部屋がある四合院作りの形をしていて、間口三間、一家屋四棟の建物が2mの間隔で並んでいます。古民家の基礎には、青みを帯びた正方形の石が使われています。青煉瓦が整然と積み重ねられた家屋は重厚感が感じられます。二階の部屋は採光がよく窓には、様々な花の透かし彫りが施されています。家屋内には、劇場や花も備わっていて、落ち着いた雰囲気の中にも優雅さが感じられます。
家の壁に挟まれるように敷かれた、石畳みの路地を抜けて村を巡ると、風格のある石橋や古塔にも出会います。数百年間、風雨に耐え陽射しに耐えてきた古建築群は、私たちに感動さえ与えてくれます。昔を題材にした映画のロケション地に度々使われるなど、秦家大院は今も話題を呼んでいます。