桂林回族の清真寺(モスク)




 
   桂林には約9000人の回族の人々が暮らしており、その信仰に所属する清真寺(モスク)は、崇善路清真寺、馬坪街清真寺などの14か所が挙げられ、1100年ほど前に中国北方から移動してきたイスラム教を信仰する回族の人々が宗教活動を行う場所です。特にイスラム教の三大祭日である断食明けの日、犠牲祭、聖記祭に必ず利用する聖地となっています。

   長い歴史の変遷の中、桂林にあるこれらの清真寺は幾度かの改築を重ね、歴代の政府と地方有力者の支援により、昔の風貌を保ちながら、現在まで息付いてきました。建築様式は中国式やアラビア式のものと両者を融合した建物があります。

   清真寺はイスラム文化の象徴であり、ムスリム達がアラーに忠誠心を誓う場所であり、精神的な拠り所でもあります。桂林の最も有名な清真寺は崇善路にあり、西に背を向け東に面している構図で、敷地面積は約1218㎡にも及びます。もともと地元の回族の人々が出資し清の乾隆時代に竣工したもので、中国の伝統建築の特徴とアラビア建築様式を兼ね備えています。壁がすべて青煉瓦で出来ており、玄関に入ると、白い壁に「清真寺」という三文字が力強く刻まれ、清真寺の厳かさを窺わせています。建物内は三つの門で分かれ、中庭が配置されています。南北に並ぶ廂は、歴代の布教者が授業とコーランを教える所で、南の廂には礼拝をする前に沐浴をする池があり、その対称に北の廂には葬儀に使う公共の棺が置かれています。母屋は本殿にありアラーを祭る場所で、その屋根に直径2.5mの丸屋根が造られています。西の壁には赤い下地に金色のアラビア語で書いている「コーラン」がはめられています。ムスリム達の礼拝に使われる本殿は綺麗に掃除され、整然としています。清真寺の庭には、四季折々に咲く花と朱塗りの柱があり、清真寺ならではの宗教色彩を際立たせていることが分かります。