済南は中国東部の沿海の経済大都市である山東省の省都です。全省の政治、経済、文化、科学技術、教育、金融などの中心都市であり、国家に認定した沿海開放都市、副省級の都市でもあります。済南の自然風景は大変美しく、城内に「天下第一泉」と呼ばれる趵突泉をはじめとする「七十二名泉」と呼ばれる水量の多くて美しい泉水があり、泉が豊富なので「泉城」とも呼ばれています。豊かな自然と歴史資源を持つため、国家歴史文化名城に指定されています。4000年以上の歴史がある済南は、その悠久の歴史から国務院の公布した歴史文化都市にもなっており、中華文明の重要な発祥地のひとつでもあります。
済南市は現在6区3県と県級の市を1つ管轄しており、総面積は約8227平方キロメートルです。済南は現在100以上の国家や地区と経済、科学技術、文化などの方面にて交流、協力関係に持ち、近年では世界120カ国以上から来訪団や観光客が訪れています。日本の和歌山市や山口市、その他にもイギリスやアメリカ、カナダなどの各都市と友好都市関係を結び、国際的な交流はますます増えています。
済南は総人口が706万(2015年)で、49の少数民族を持ち、その中で回族は88.79%占めています。済南の言葉は山東方言があるが北京語に近いです。
北緯36°40′、東経117°に位置しており、土地は北が低く南が高い地勢となっています。主要な河川は黄河、小清河の二つで、大明湖、白雲湖、芽荘湖等の湖沼が散在します。長城嶺、跑馬嶺、梯子山、黒牛寨などの山が市域内にあります。
済南は暖温帯半湿潤モンスーン気候に属し、四季がはっきりとしており、年平均気温が13.8℃で、年平均降水量が685ミリで、年日照時間が1870.9時間(2009年)です。
黄河の流れが変わったとき、済水の河川敷はそのまま現在の黄河下流となってしまっています。実際にもここが黄河文明の中心の一つだったと見られます。1930年、市南部の章丘市龍山鎮から黒陶が発掘され、青銅器文化にいたる直前の龍山文化はこの地から名づけられました。現在の市街の下にある古代の都市跡は、その居住は殷のはじめ頃に遡ると考えられています。周代から次第に繁栄し、西晋時代には仏教が広まるとともに多くの仏教寺院がこの地に集中し、仏教の中心の一つとなっています。
人気の観光スポットに、趵突泉、大明湖、千仏山などが挙げられます。