雪頓祭(ショトン祭)

   チベットの伝統的な雪頓祭りはチベットで最も重要な祝日の一つで、毎年チベット暦(旧暦とほぼ同じ)の6月末~7月初めに行われます。この祝日は中国国務院によって保護リストに記入された無形文化遺産で、チベット語で「雪」はヨーグルト、「頓」は食べることを意味し、つまりヨーグルトを食べるための祝日、「ヨーグルト祭り」とも言われています。雪頓祭りの起源は紀元前11世紀中頃まで遡り、当時は宗教的な役割を持った祝日に属していました。仏教の戒律により僧侶は夏の間、外出して殺生を行うことを避けるためにチベット暦4月~6月にかけて寺院で静かに修行を積むことを課せられています。6月末に禁令が解かれてからは山を下りることができ、この時に人々は僧侶を慰労するためにヨーグルトをごちそうしたといわれており、これが「雪頓」の由来になっています。

 

   現在ではチベットの芝居演出や大規模な仏象展示の儀式などが催され、「チベット劇祭」、「展仏祭り」と言われています。仏象展示の儀式をきっかけに、チベット芝居の観賞やヤクレース、サーカスの馬術演出、ラサ国際マラソン大会なども行われます。ラサ国際マラソン大会はダライラマの夏庭園やラサ西郊のノルブリンカで開催されます。