ウランチャブ(烏蘭察布)観光

ウランチャブ(烏蘭察布)市は内モンゴル自治区中部に位置し、総面積が5.4万㎢、人口289万人で、漢民族やモンゴル民族をはじめとする回族、満族、ダオール族、朝鮮族、オウンク族などの20の民族が居住する土地です。

この地は戦国時代に趙国と匈奴族の領地として治められており、秦の中国統一後、ここに雲中、代郡、雁門の三つの郡を設けましたが秦が滅びた後、楚漢戦争の際に匈奴族が南下しウランチャブ市一帯を支配下に置きました。そして、前漢時代には匈奴族を最高の行政機関とする「中部単于庭」を設立しました。その後、隋の時代までは拓跋と鮮卑族、隋唐時代は突厥、宋から清の時代にかけては北方系民族である契丹、女真、韃靼、瓦刺、モンゴル族などによって攻防を繰り返された場所とされています。この地が正式に「ウランチャブ盟」と命名されたのは1627~1636年(清王朝天聡年号)で、2003年12月、国務院の許可を受け、「ウランチャブ盟」を改めウランチャブ市を設立しました。

ウランチャブ市は大陸性気候に属しており、四季の変化がはっきりしています。この地を跨ぐ大青山によって、南北で気候が大きく異なります。南部は暖かくて雨も多いのに対し、北部の気候は風が強く雨も少ないです。ウランチャブ市の年間降水量が150~450㎜と少量で7~9月に集中し、年間平均気温は4℃前後とされています。

ウランチャブ市では多くの観光地が開発されており、その中でも葛根塔拉草原観光センターが最も有名で、初めて4A級観光地に認定された観光地として高い人気を誇ります。ここは夏から秋にかけて、深い緑の草原に覆われて250種類を超える花が大地に咲き誇り、美しい「花の世界」を創り出します。また、草原を走り抜ける馬の群れやユニークなモンゴル族の人々の風情は日本にはない独特の景観を生み出しています。

ほかにも輝騰錫勒草原観光区は高山型草原地帯が現存する世界でも珍しい地域で、自然の景色に呼応するように様々な民族文化が溢れる観光コースを設け、観光客がその文化を自ら体験できることが大きな特徴です。それから、火山の噴火による岩石・岩画鑑賞観光区、「緑の明珠」と称される内モンゴル自治区最大の人工林・蘇木山森林公園、美味しい鯉の生育で有名な黄旗海観光区、5000年前の竜山文化や秦漢時代の古長城、大廟などの遺跡がある環岱海観光区、市民の憩いの場所として知られる老虎山生体公園、真夏に一面黄色い花が咲き乱れる高山草原・黄花溝風景区など自然を生かした観光スポットが数多く存在します。

ウランチャブ(烏蘭察布)観光スポット