紅山公園

  紅山公園はウルムチ市の中心、ウルムチ河の東岸に位置しています。巨大な竜のように東西に横たわり、頭は川の中部に伸び出しているように見えます。断崖絶壁が切り立ち、雄大の姿を示しています。海抜は910.6メートルあります。西端の断崖は赤褐色で、「紅山」と呼ばれるようになりました。目立つ場所にあることとめずらしい形を持つことから、昔から「神山」と称されています。


   山頂に高さ8メートルもある九階建ての灰色のソリッド煉瓦塔が立ち、向こう側の雅瑪里克山の頂上にある煉瓦塔と向かい合い、「鎮竜塔」と称されています。文献の記載によりますと、1785年と1786年、ウルムチ河は水害に舞われました。当時の迷信の人々は瑶池から飛んできた二匹の竜は紅山と妖魔山に化け、ここで暴れをしたわけだと考えました。それに、二つの大きな山は間もなく結びあい、ウルムチは海となると皆は心配したそうです。清代乾隆53年(西暦1788年)、ウルムチ都統尚安は竜を治めるためにそれぞれ紅山と雅瑪里克山の上に塔を一つずつ建てました。今まで、200余年を経った紅山宝塔は依然として完璧に紅山の頂上に立っています。夕日が落ちる時に、虎頭峰の断崖は赤い光が輝く放ち、宛も神話の中の宝光が現れるようです。紅山宝塔は夕日に照らされ、影が長く伸び、美しい姿を見せ、「塔映夕日」と称されています。


   昔の紅山は荒涼たる山でした。1958年からウルムチ市の軍民は山を開削し、運河を切り開き、植林をし、橋を架け、園林景観を造営したことから、ようやく現在のような美しい公園となりました。1985年5月に正式にオープンしました。現在の紅山公園のいたるところに茂った樹木が見られ、小鳥のきれいな声が響き、花は芳しい香りを放ち、小川はさらさらと流れ…町の喧騒から離れた素晴らしい行き先となっています。公園の面積は870ムー(1ムーは667平米にあたる)あります。園内に「塔映斜陽」、「虎頭赤壁」、「古楼攬星」、「巨竜噴泉」、「石碑英烈」、「仏廟雲霧」、「吉壇遥祭」、「紅山滝」、「太白崖洞」などの風景区が十数か所あります。


   デザインの目新しい玄関をくぐると、王恩茂氏のモニュメントが目に映り、上に王恩茂の題した「前人緑化、後人幸福」が刻まれています。ここでウルムチ各民族の軍民は数十年間をかけて紅山を緑化するために奮闘した業績を記載しています。


   もう少し前に行くと、さざ波を立つ清水湖が見えます。湖中に橋、あずまやが設けられてあります。湖畔の柳と桃の木はきれいに湖面に映り、江南のムードを醸し出しています。湖の北岸は断崖絶壁が聳え立ち、紅山滝が流れ落ちています。滝の幅は9メートル、落差は18メートル、流水量は12立方メートル・1秒に達しています。宛も白いカーテンのように掛かっています。


   続いて山を上がり、山頂の遠眺楼にまっすぐと行く石段が見え、4メートルもある広い石段は約330段あり、赤い砂岩で敷設したものです。石段の両側に蒼蒼たる楡は生い茂り、坂の上に生えるライラック、梅、バラなどの花は芳しい香りを放っています。宝塔とあずまやは青い原生林に隠しており、緑の波の上に漂っているようです。林中の桟道の境を生み出しています。


   遠眺楼を上がると、蜿蜒と起伏する天山の群峰に霞はたなびいている美しい風景が眺めることができます。見下ろすと、町並みは人と車の往来で賑わっています。紅山塔から降りてから、漢白玉で作った林則徐の全身像が目の前に映ります。林則徐は偉大な愛国者であり、中国近代の傑出な反侵略英雄と称されています。1840年アヘン戦争の砲声は中国近代史の幕を開けました。この反侵略闘争のリーダとする林則徐は禁煙運動を発動し、民衆はよく団結して外国侵略を抵抗するようと呼びかけ、国家と民族のために不朽の貢献をしました。しかし、1842年、腐敗の清政府に免職され、新疆までに追放されました。その期間に、国の統一を維持する初心はを抱き続け、辺境発展及び民族団結のために多くの有益なことをしました。新疆の人々は偉人を記念するために、この立派なモニュメントを建てました。


   清代乾隆44年(西暦1799年)から紅山の古寺群の建設は開始しました。大仏寺、玉皇廟、地蔵廟などが建てられました。縁日の度に、お寺が開放され、祭祀が盛大に行われ、参拝に来る人々で賑わっていました。惜しいことですが、これらの古跡が戦争の時代に壊されました。現在の大仏寺は後に再建されたものです。再建された大仏寺の中の大雄宝殿、蔵経閣は雄大かつきらびやかで、仏像は生き生きとしています。寺院の前と両側は蒼蒼たる樹木に囲まれ、花草は生い茂っており、自然の静けさが感じてくれます。


   青い木々の間に「竜泉閣」といった中洋折衷、優雅の装飾が施される応接所が設けられています。屋外の池に太湖石は珍しい姿を示し、飛来亭が立っています。岸辺に青石で彫刻した竜の石像は置かれ、噴水は竜の口から噴出してから池の真ん中に旋回し、波しぶきがあがっています。漢白玉で彫った水掬いの婦人の姿が生き生きとしています。数十メートルもある大きな滝は三重に積み重ねって流れ落ち、大きな水音が響き、遠くから見るとセツレンカがいっぱい咲いているように見えます。「竜泉閣」でいっぷくすれば、お茶を飲みながら屋外の景色を楽しみ、心地よくなります。