天池
天池は新疆阜康市域内の博格達峰の中腹にあり、ウルムチ市から110キロ離れています。海抜は1980メートル、天然の高山湖沼です。湖面は半月形のようにしています。長さは3400メートル、幅は1500メートルもあり、面積は4.9平方キロ、最深部は約105メートルです。湖水は透き通った玉のように見えます。回りは群山に囲まれています。青い絨毯のような草地、咲き乱れた色とりどりの野花、蒼蒼たる雲杉と塔松…美しい景色が広がっています。「天山明珠」の美称を持っています。
昔、「瑶池」と呼ばれました。天池という名前は乾隆48年(1783年)ウルムチ都統明亮氏の『霊山天池統一開削水渠碑記』に初出しました。200余万年前第四紀氷河期に形成した高山モレーン湖であり、北岸にある天然の堤防は実はエンドモレーンです。1982年、国家初の重要風景名勝地に登録されました。
四季の景色が美しく、昔から文化人だちはよく詩や文章を作って高く謳っていました。3000年前、穆天子は天池の畔で宴会を設け、西王母と一緒に楽しく食事したり歌を歌ったりしたと伝える千古の逸話が残されています。「瑶池」の美称を得るというわけだそうです。20世紀70年代、大文学者郭沫若はシアヌーク親王と伴ってここに来た時に、湖畔で素晴らしい詩を作ったことがあります。天池の周りに「石門一線」、「竜潭碧月」、「頂天三石」、「定海神針」、「南山望雪」、「西山現松」、「海峰展」、「懸泉飛瀑」といった八景があり、毎年、多くの国内と海外からの観光客を引き付けています。
天池風景区は天池を中心とし、ジャングル、草原、雪山、人文景観を融合した格別な風景区です。北側の石門を始まり、南側の雪線、西側の馬牙山をわたり、東側の大東溝に至り、総面積は160平方キロに達しています。高い処から見下ろすと、原生林は緑の波のように遠くまで連綿起伏しています。沿岸の鬱蒼と茂った松林、重なり合う怪石、山を囲む青い草地、群れになった羊、銀色の雪山、千年以上の歴史を持つ氷河…美しい風景を醸し出します。冬の天池は白い雪に覆われ、湖面の氷は玉のように固く、高山スキー場となります。
1、「天池石門」(石門一線とも言います)
石門は天池風景区に入る天然の入り口です。最も狭い処はわずか10メートルです。両側の山々は切り立ち、まるで一本の線は山の間を通るように見えます。ここは川に切られた峡谷であり、「石峡」とも呼ばれています。両側の絶壁は数十メートルもあり、長さは百メートルにも達し、まるで開いた巨大な石扉のようです。赤褐色の石扉は鉄で鋳造したもののように見え、「鉄門関」とも呼ばれています。三工河は石門の中を蜿蜒として流れ、波しぶきを上げ、大きな音は峡谷の中に響いています。
2、「五十盤天」
石門を過ぎると、ぱっと明るくとなり、天池と繋がるスカイラインは目に映り、50周もあります、だから「五十盤天」と名付けられました。50周目のカーブに「聞涛亭」は建ててあります。
3、「王母足湯盆」(「西小天池」や「竜潭碧月」とも呼ばれます)
「五十盤天」の三周目の右下に位置しています。海抜は1660メートル、天池の水は地下に浸入してこの池に流れ込み、水の色はミルクのように見えます。ここは「王母の足湯盆」だそうです。池の周りは鬱蒼たる松林は水面に映り、水は紺色となっています。月が見える夜に明るい月は中天にかかり、池の波がきらきらと輝き、互いに引き立て合い、絶妙のコントラストをなします。
4、「西小天池滝」
西小天池の近くに滝が見られます。滝は高い所から流れ落ち、10数メートルもあり、宛も銀色のカーテンのようです。滝の裏側に王母の入浴の姿がうっすらと見えそうです。伝説によりますと、王母の風呂は天上から流れ落ち、この滝となったそうです。
滝の向こう側に清代光緒年間に六角形の「観滝亭」が建てれたが、後に壊されたのです。今、元の所で「聞涛亭」が建てられています。「聞涛亭」は二階建て八角形のあずまやであり、赤い柱が支え、上に黄色い瑠璃瓦を載せてあり、とても立派です。
5、「醴泉隠乳」(「西小天池滝の源」とも呼ばれます)
「西小天池滝」の源は「醴泉洞」にあります。この洞窟は奥深い処に隠し、「隠乳洞」とも呼ばれています。泉は地下から湧き出ており、透き通った泉水は甘くて醴(甘酒の一種)のように美味しく、王母の「醴泉」にたとえています。
6、「仙女入浴池」(「東小天池」とも呼ばれます)
「仙女入浴池」は「五十盤」の五十周目の近くにあり、数百メートルをわたっています。海抜は1860メートルです。周りは静かで、水は透き通っています。言い伝えによりますと、ここは仙女の入浴する場所でしたが、後に黒竜に占領されたそうです。だから「黒竜潭」とも呼ばれています。
天池の乗り物:
遊覧船:35元、ロープウェイ:往復35元、専用バス:往復31元